運動器エコーによる診断・治療とは
エコー検査は超音波を用いた検査で、患部に専用ゼリーを塗り、装置をあてると内部の様子を観察できるものです。心臓や腹部の検査で受けたことがある方も多いのではないでしょうか。近年の技術の進歩により筋肉、腱、靭帯、神経、関節などにも応用されるようになり、運動器エコーと呼ばれています。当クリニックでは、整形外科用に特化された最新機種を採用しています。
整形外科でよく行われるレントゲン検査は骨を見るのには適していますが、整形外科でとり扱うのは骨だけではありません。運動器エコーを用いると、骨以外のものも見えるようになり、診断や評価に役立てることができます。
当クリニックで重要視している関節リウマチ診療においても、必要に応じて関節エコーを活用します。血液検査の炎症反応(CRP)は関節炎の強さの目安として重要ですが、十分とはいえません。指などの小さな関節が滑膜炎を起こしていても、全身の炎症反応までは異常を示さないことも多いからです。滑膜炎が残っている関節は骨の変化が進行しやすいので、CRPが低くても安心できないのです。関節エコー検査であれば、小さな関節の滑膜炎でもリアルタイムで評価できます。滑膜炎が残っていた場合、さらに治療を強めるかどうかなどをご本人と相談しながら進めていくことができます。
エコー診断・治療に適した病態
- 関節リウマチの滑膜炎など
- 大腿部や下腿部の肉ばなれ
- 足首の靱帯損傷
- 四十肩・五十肩、石灰沈着性腱板炎、腱板断裂
- 野球肘、テニス肘、ゴルフ肘
- 変形性膝関節症に対する再生医療(PRP療法)への併用