骨粗鬆症診断・治療

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症

骨はからだを支える大事な器官です。硬い組織ですが、常に古い骨を壊すこと(骨吸収)と新しい骨を作ること(骨形成)がバランスよく繰り返されています。そのバランスが崩れると骨がスカスカになって骨折を起こしやすくなります。このような状態を骨粗鬆症といいます。その多くは女性の閉経後にホルモンバランスの変化や加齢変化によって起こりますが、生活習慣病や関節リウマチなどの病気も関連することがわかっています。骨粗鬆症があると、いつのまにか背骨を骨折したり、転倒しただけで手足を骨折したりすることにつながります。早期の発見と治療が大切です。

当院ではDXAを用いた精密な骨密度検査で評価し、骨代謝マーカーや腎機能などの血液検査や患者様のライフスタイルにも配慮して、適切な治療を提案いたします。

人生100年時代と言われるように日本は超高齢社会となっており、加齢と深く関係する骨粗鬆症やフレイル、ロコモ、サルコペニアといった病態が注目されています。フレイル、ロコモ、サルコペニアとは、筋肉量や筋力、持久力の低下にともなって生じる活動性の低下を意味しています。これらは転倒リスクを高め、骨粗鬆症と合併すると骨折を生じる可能性が高まります。当クリニックでは、筋肉量や筋力を客観的数値で評価できる機器(体組成計、筋力測定器)を導入し、個々の状態を定期的に把握し、安心して治療や予防に取り組んでいただける体制をとっています。

以下のような方は一度ご相談ください。

  • 背中が丸くなった方・身長が縮んだ方
  • 転んだだけで骨折したことのある方
  • ご家族に大腿骨骨折をした方がいる方
  • これまでに過度の食事ダイエットをされたことがある方
  • 糖尿病の方
  • 関節リウマチがある方
  • 45歳未満の早期閉経や50歳以上で一度も検査を受けたことがない女性の方

診断

  1. 骨密度検査【DXA法】

    骨に2種類のX線を当てて、骨の強度を測定するものです。精密で再現性の高い検査であり、世界的な標準検査です。検査中に痛みなどもなく、放射線の被爆量も少ないため、安全性に優れるというメリットがあります。当クリニックでは腰椎と大腿骨近位部を短時間で検査できる機器を導入しています。治療がうまくできているかどうかも判定できるため、定期的に検査を受けていただきます。

  2. レントゲン【X線装置】

    背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形が無いか、骨がもろくなっていないかを確認します。他の病気と骨粗鬆症とを区別するためにも必要な検査です。

  3. 骨代謝マーカー【血液検査】

    骨粗鬆症は、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収の方が過剰に大きくなった場合に起こります。血液検査で骨形成マーカーと骨吸収マーカーを調べることにより骨吸収と骨形成のバランスがわかります。治療効果の判定にも役立ちます。

治療

治療法には薬物療法、運動療法、食事療法があります。
骨粗鬆症治療の目的は骨折の予防です。骨粗鬆そのものので症状が出ることは少ないので、治療を始めても効果を実感しにくいのですが、骨折しにくい体を作るためと思えば続けやすいのではないでしょうか。また、当クリニックでは効果を確認しながら治療を継続していただけるように、定期的検査など計画的な治療を提案いたします。

薬物療法

  1. 骨吸収を抑制する薬

    SERM:閉経後の女性だけが使えます。毎日服用します。
    ビスフォスフォネート製剤:週一回や月一回の間隔で内服します。
    デノスマブ(抗RANKL抗体):半年に一回注射します。関節リウマチにも使用されます。
    ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体):月1回注射を1年間続けます。

  2. 骨の形成を促進する薬

    テリパラチド(PTH製剤):毎日あるいは週1回、週2回注射するタイプがあります。
    ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)

  3. その他

    活性型ビタミンD製剤、ビタミンK2製剤、カルシウム製剤

運動療法

骨は運動をして体重負荷をかけることで増加し丈夫になっていきますが、骨量を増やすには、激しい運動をする必要は無く散歩やジョギングなどを可能であれば毎日30分以上、あるいは、週に数回でも継続的に行うことが大切です。また、転んで骨折することを防ぐためにも筋力訓練が重要になります。

食事療法

毎年厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」によると、骨の主成分であるカルシウム摂取量は、推奨量と比べいずれの年代においても「不足」していると報告されています。また骨を丈夫にする栄養素は、カルシウムの他にマグネシウム、リンなどのミネラル類や、ビタミンD、ビタミンKなどのビタミン類があります。これらの栄養素は、「日本人の食事摂取基準」に示されている年代別の推奨量や目安量を参考にして、日々の食事から過不足なく取ることが大切です。
  では実際に骨を丈夫にするための栄養素を、ご自分の日々の食事でどれ位摂れているのでしょう? 実際のところ、それを把握している方は少ないのではないでしょうか。定期的な栄養相談などでご自分の食事摂取状況を確認し、客観的に栄養の過不足を把握し、具体的な改善方法を管理栄養士と共に見つけていくことも大切です。